幼帝派(エルウィン・ヨーゼフ2世を擁立した宰相リヒテンラーデ侯爵)についたラインハルトの下に、苦悩する貴族達の様子が参謀長オーベルシュタインによってもたらされます。幼帝に味方するのか、外戚である門閥貴族ブラウンシュヴァイク公爵とリッテンハイム侯爵に味方するのか、貴族達にとっては死活問題でした。
そんな右往左往する貴族達の姿を「喜劇だ」と一笑したラインハルトに対し、オーベルシュタインが「終わりがめでたくなければ、喜劇とは言えないでしょうな」と冷たい言葉で諭します。
ここでの学びは、プロセスがどうであれ、現実は結果が全て、という点です。ここまでの展開はラインハルトの読み通りで、このまま物事が進むと、邪魔者である門閥貴族と無能な貴族達が連合を組み、皇帝に対して反逆する。そしてそれをラインハルトが討ち、盤石の体制を築く。そんなシナリオが想定されていました。その中で、貴族達の動きは想像以上に滑稽だったため、「喜劇」の様相を呈していたと言えます。
しかし、貴族達が結集した場合、兵力も財力も幼帝派を上回ることは必至であるため、必ずしもラインハルトが勝てるとは限りません。プロセスが想定通りでも、結果が出なければ意味がない。そんなことはラインハルトも百も承知ではありますが、あえてここでオーベルシュタインが口を挟むことで、より厳しい戦いであることが浮き彫りになったと思います。
同様の場面は現在のビジネスでも起きることだと思います。途中まで読み通りに進んでいたとしても、最後に逆転されたり、足をすくわれたりということが、しばしば発生します。笑いたくなるような明るい見通しになったとしても、時々このオーベルシュタインの言葉を思い出して、気を引き締めて結果が出るまで全力を尽くすことが大切だと思います。
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