反乱を起こしたマクシミリアン・フォン・カストロプ(前財務尚書の古代ギリシア趣味のドラ息子)の討伐の途中、酒浸りになって自暴自棄な発言をしていたベルゲングリューン大佐でしたが、キルヒアイス提督から絶対勝てる戦術の内容を聞かされて、ころっと心を入れ替えます。
キルヒアイスの戦術は完璧にハマり、カストロプは頼みの綱の防空システム「首飾り」をすべて失い、窮地に立たされます。ここでキルヒアイスが最も望んだ解決策は、殲滅ではなくカストロプの降伏でした。第5話は、戦術面で圧倒するだけでなく、なるべく死者を出さない解決策を優先するというキルヒアイスの度量・懐の深さが表に登場する回となっています。結局、キルヒアイスの思惑は、100%完璧には実現しないのですが。
キルヒアイスの言動は、ベルゲングリューンの心を完全に捉えました。それを表す一言が、「真の名将か」です。戦術面でも人間面でも、ベルゲングリューンがキルヒアイスに「この人は凄い」と思ったから、自然に出てきた言葉なのだろうと思います。
『銀河英雄伝説』DVD 本伝第5話 (C) 田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっ ふ・サントリーより引用
後々彼はロイエンタール提督にも心酔してしまうのですが、どうもこの人は男に惚れやすいというか、自分より凄いと思った人に対して無条件でのめり込む傾向があります。ただ、ここでの学びは、やりすぎは良くないにしても、「見た目で判断せず、言動で素直に評価する(凄い人は凄いと、素直に認める)」ということだと思います。
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