アスターテ会戦後、ヤン・ウェンリーは第2艦隊を境地から救った功績が認められ、少将への昇進が決まります。そして、敗残兵と新兵の寄せ集めで、通常の艦隊の半分の規模となる第13艦隊の初代司令官に任命されることになりました。
第13艦隊の最初の仕事は、銀河帝国の難攻不落の要塞、イゼルローン要塞を落とすこと。イゼルローン要塞には、これまで何度となく攻略作戦が展開されましたが、一度も成功しませんでした。その鉄壁の要塞を、半個艦隊で落とすよう命じる際に、統合作戦本部長シドニー・シトレ元帥が使った殺し文句が、「君にできねば、誰にもできんだろう」というこの一言です。
『銀河英雄伝説』DVD 本伝第3話 (C) 田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっ ふ・サントリーより引用
この言葉、非常に危険な言葉ではないでしょうか。これを敬愛する上司から言われると、ついつい乗せられてしまう、無理もしてしまう、そんな言葉だと思います。
シトレはかなり後になって(ヤンの死後、物語ではかなり終盤)、この言葉と共にヤンを国家の大事に巻き込んでしまったことについて、とても後悔しています。自分の言動により、若いヤンを巻き込んで死なせておきながら、自身は引退生活に入ってしまっていましたから。
そういう意味で、この言葉は人生の中で極力使うべきではない言葉ではないか、と思います。
注)ヤン自体は、シトレのこの言葉があったからイゼルローン攻略を引き受けたわけではなく、自信があったからだと思います。勝算がない戦いはしない人だと思いますので。
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