ヤンとジェシカは、士官学校内の大きな木のもとで、ダンスパーティで一緒に踊った過去を思い出します。当時、ヤンはダンスの準備もせず失敗ばかりで、(おそらく入念に準備した)ラップに良いところをすべて持っていかれてしまった、少なくともヤン自身はそう思っていました。そして、ジェシカがラップを選ぶのも、当然だと。
しかしながら、ジェシカが思い出に浸りながら発した言葉は、意外なものでした。「私、うぬぼれていたの。もう一度あなたがダンスに誘ってくれると思っていたの。でも…誘ってくれなかった」。本伝以外に外伝も読んだり見たりすると、うっすら分かってくるのですが、恐らくジェシカとヤンは両想いだったのだろう、と思います。
ここでの学びは、ヤンの側からすると、「失敗と決めつけない」ということだと思います。恋愛でもビジネスでも、自分ではダメだと思ったことが、意外な好印象を相手に与えていることがあると思います。何事も、自分主観だけでなく、可能性を捨てきらないことが大切では、と思います。もっとも、時として「諦めが肝心」ということも多いのですが。
ジェシカ側からの学びは、逆に「勝てると決めつけない」ことだと思います。ジェシカは当時、周囲の学生たちからは高嶺の花でした。うぬぼれ、というほどではないと思いますが、ヤンの気持ちにも多少なりとも自信があったのでは、と思います。しかし、ヤンは友情を優先し(あるいは勇気がなく)、ラップに譲ってしまいました。もしジェシカ側がアクションを取っていれば、結末は変わったのだろうと思います。
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