銀河帝国の哨戒部隊(ケンプ艦隊の分艦隊)と、自由惑星同盟の訓練部隊の遭遇戦は、銀河帝国有利の状況で推移していました。
そんな中、同盟軍のイゼルローン要塞司令官ヤン・ウェンリーの養子、ユリアン・ミンツが初陣のドッグファイトに向かっていました。ドッグファイトは死と隣り合わせです。艦載機スパルタニアンに乗り込み、「生き残れるかな」と呟きながら宇宙空間に向かう途上で、ユリアンはヤンとの会話を思い出します。
「提督、人は誰でも、自分の死に予感を覚えるものだって、本当でしょうか?」
ユリアンの問いに、ヤンは優しく答えます。
「ユリアン、一度も死んだことのないやつが、それについて偉そうに言うのを信用するのかい」
ここでの学びは、ストレートですが、経験していないことを偉そうに語る人間を信じない、ということだと思います。
といっても、世の中の占星術師や手相・顔相など、少し超現実のものを完全否定しているのではありませんし、歴史家など自身の体験ではなく過去の他人の経験を分析する方を否定するつもりもありません。それは、数多くのケースを分析することで、自身の理論をモノにしていますので、それも経験の一部だと思います。
信用できないのは、中身が空っぽなのに、まるで経験しているかのように話をする輩の方です。中身も話もどちらも空っぽだと無害で、中身も話も豊かな人は非常に頼りになりますが、中身がなく話だけ盛れるタイプの人間は、基本的に人を操って生きている輩だからです(少し偏見があるかもしれませんが)。こういうタイプからは、逃げないと人生を食い散らかされます。
他方で、中身が非常に豊富なのに、話が下手で報われない方も多いと思います。本当はこういう人を組織が引き上げないといけないと思います。ヤン艦隊が銀河最強になったのは、うわべだけでない真の実力(中身)をヤンが見極めて登用していったからに他なりません。
しかし、ビジネスの世界では、そういった本来実力のある皆さんが中堅以下に甘んじ、出世していくのは上記の危険人物枠の人であるケースも多いのではと思います。そういう組織からも、本当は逃げる方がよいのですが…なかなかそうもいかないのが日本の就職事情といったところです。
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