序盤でまず学びになる一言は、これだと思います。
舞台は未来の人類社会。専制君主制の銀河帝国ゴールデンバウム王朝と、民主主義国家の自由惑星同盟が数百年に渡る戦争状態にある中、銀河帝国の若き天才ラインハルト・フォン・ローエングラムは敵のわずか半数の艦隊(20000隻)で戦わなければなりませんでした。敵は40000隻の艦隊を3つに分け、3方向からラインハルトの艦隊を包囲殲滅することを狙っていました(アスターテ会戦)。
その戦いに先駆けた作戦会議で、ラインハルトが放った一言が、これです。2倍の艦隊に3方向から迫られる中、「常識」から考えて圧倒的不利だと主張した部下に対し、自分たちは「圧倒的有利な立場にある」と反論しました。
『銀河英雄伝説』DVD 本伝第1話 (C) 田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっ ふ・サントリーより引用
20000隻 対 40000隻。合計数だけ見ると、確かに圧倒的不利です。しかし、敵は40000隻を3つに分けているため、一つの集団と個別に戦っていけば、20000隻 対 13000隻。逆に倍近い兵力で戦える。そのため、自信をもって「圧倒的有利」と言い切ったのです。結果は、ラインハルトの銀河帝国の圧勝となりました。
ここから得る学びは、常識を疑え、に尽きると思います。「これまでがそうだったから、これからもそうだ」という考え方で、ある程度切り抜けられた時代(高度成長期やバブル崩壊後の日本)は、もう存在しません。これからは常識自体をイノベーションで変えていく時代ですので、生き残るためには、ラインハルトのような発想の転換が必要になってくると思います。